研究課題/領域番号 |
12832007
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
市江 雅芳 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20193427)
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研究分担者 |
関 敦仁 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00206616)
関 和則 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20206618)
半田 康延 東北大学, 未来化学技術共同研究センター, 教授 (00111790)
藤居 徹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70302122)
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キーワード | 筋音図 / 筋電図 / Fourier変換 / Wavelet変換 / 治療的電気刺激 / 片麻痺 / 歩行 |
研究概要 |
まず、前年度の問題点であった振動によるノイズについて検討を行った。測定時のノイズは、筋音図の測定に用いたヒューレットパッカード社製の心音マイクロフォンの装着に原因があることが判明した。これは、マイクの質量が大きいことに起因し、動作時にマイク本体に慣性が生じて、皮膚接触面との間で雑音が生じるものである。この問題は記録システムの根元的な問題であるため、歩行動作時の筋音図測定は断念せざるをえなかった。 そこで、今年度は基礎的課題に取り組むこととし、等尺性筋収縮時における筋音図と筋電図の周波数特性を比較検討した。 膝関節伸展時の大腿直筋の筋活動を、筋電図と筋音図により測定し、これらをFourier変換とWavelet変換を用いて周波数解析を行った。健常成人7名において、膝関節伸展における最大随意収縮(MVC)を測定し、MVCを基準に、20%から80%MVCの筋張力を一定時間持続させたときの表面筋電図と筋音図を導出した。測定は坐位で行い、膝関節屈曲90度および60度、股関節90度屈曲、足関節0度とし、等尺性膝関節伸展をKIN-COM(Chattanooga.TN)を用いて実験を行った。その結果、筋電図は筋の電気的活動そのものをとらえているが、筋音図は筋コンプライアンスの変化に伴う筋の固有振動周波数の変化をとらえていることが判明した。このことより、筋音図は筋の収縮様式の変化を筋電図とは異なった側面でとらえられることを示している。今後、質量の少ない筋音図測定装置を開発すれば、脳卒中片麻癖者の歩行が治療的電気刺激によって改善する筋に関する要因を明らかにすることが出来ると考えられる。
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