研究概要 |
^<18>F-2-fluoro-deoxyglucosecを用いたPositron Emission Tomography(^<18>FDG-PET)による頚髄グルコース代謝量と上肢運動機能の関係を明らかにするために、頚椎椎弓形成術術後平均3.3年経過した頚髄症患者18名(頚椎症性脊随症8例、頚椎後縦靭帯骨化症10例)に対し、上肢運動機能評価と頚髄グルコース代謝量(SUV値)を比較検討した。上肢運動機能評価は、簡易上肢機能検査(STEF)、10秒テストと母指・示指のつまみ動作の3次元的な勤作解析をなった。母指・示指のつまみ動作は、一片が15mmの小立方体をつまむ動作をVICON370(Oxford Metrics, Oxford, UK)を用い3次元的に動作解析を行なった。日整会頚髄症治療判定基準(JOAスコア)と上肢運動機能を定量的に測定するSTEF(r=0.751)と10秒テスト(r=0.752)はそれぞれ高い相関を示した。また、頚髄症群において、示指及び母指の各関節の総和は正常コントロール群に比べ有意に減少しており、示指のDIP関節と母指のMP、IP関節の閥節可動域は正常コントロール群に比べ有意に低下していた。すなわち、頚髄症患者はっまみ動作において指腹つまみよ,り横つまみを行なっていることが特徴としてとらえられた。また、グルコース代謝量(SUV値)は、10秒テスト(r=0.502、p<0.05)とSTEF(r=0.503、p<0.05)と高い相関を有し、^<18>FDG-PETにより算出される頚髄グルコース代謝量(SUV値)は、上肢の運動機能を反映すると結論した。
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