研究概要 |
【目的】平成12年度の研究に引き続いて今年度も踵部の圧迫力と血流との関係を解析した。即ち小型圧力センサーと血流計を用い,圧迫による血流量の変化を踵骨部後面で同時に測定た。今年度は入院中の患者に被験者になってもらい、片麻痩や糖尿病などの疾患を持った患者の圧迫力と血流の関係を検討した。 【対象と方法】片麻痺患者8名と糖尿病性下肢血行障害を有する患者4名を対象にした。圧センサーと血流センサーを重ねて被検者の踵骨後面に貼付し,仰臥位にて踵をアクリル版の上に置き,足関節にカフを取り付け1分間に5cm上がる速度で踵骨後面にかかる圧と血流を経時的に測定した。 【結果と考察】平成12年度の健常者と比較し、踵部の血行は、糖尿病性血行障害をもつ患者では一様に悪く、健常人の半分以下である患者もいた。これらの患者では圧をかけ始めてから早期に血行が途絶え、わずかの圧がかかるだけでほとんど血行が途絶えてしまうことがわかった。一方、片麻痺患者では健常人と比べ、健側、患側ともに大きな違いがなく、褥瘡のリスクファクターとしては考えにくいという結果であった。現在症例を追加し、詳細な検討を進めているところである。
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