呼気筋疲労のリハビリテーションに用いる呼気抵抗負荷(ER)や腹筋運動(CU)が、どのように呼気筋疲労を発生させるか、最大口腔内圧及び呼吸努力感を指標として検討し、併せて、抵抗負荷時の筋の電気的活動を測定、比較した。 対称と方法:(1)健康男性(10名)で、呼気筋付加(ER):最大呼気圧の60%を呼気に負荷する閾値負荷法、and/or腹筋うんどう(CU):臥位から起き上がるcurl up法を、単独、または組み合わせて、検討した。呼吸筋疲労の指標として、最大努力(呼気or吸気)口腔内圧を測定し、負荷に伴い発生する(呼吸or運動)努力感を10points Borg sclaeで評価した。(2)健康成人(7名)で、閾値負荷により口腔内圧を10〜50cmH_2Oまで5段階に変化させ、腹直筋、外腹斜筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋の電気的活動を測定した。 成績と考案:ER負荷では、最大努力呼気口腔内圧の減少と呼吸努力感の上昇の程度は平行した。また、2回目の負荷で上昇程度は大きかった。CU負荷では、運動努力感の上昇に比して、最大努力呼気口腔内圧の減少は軽度で、両者間に解離があった。この結果、ER法とCU法では、用いられる筋群が異なる可能性が示唆された。この点を明確にするため、筋の電気的活動を測定した。呼気筋の電気的活動は、より腹壁内層にある外腹斜筋では腹直筋の電気的活動のよりも大きかった(約5倍)。 結論:呼気筋疲労のリハビリテーションの方法としては、呼気に関与するすべての筋群に均等な負荷を与える呼気閾値負荷法が、curl up法よりも効果的で、優れている。
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