研究概要 |
高濃度炭酸ガスの温水浴について、まず、疼痛性疾患に対する効果の検証のために、腰痛症と慢性関節リウマチ患者を対象に過飽和と思われる1000ppm41℃炭酸温水を作製し、水道水温浴と比較し入浴させ、種々の疼痛の指標を用い検討した。その結果、プラセーボとして用いた水道水温水浴と比較しても有意に疼痛が軽減されることを日本温泉気候物理療法医学雑誌(The Effects of Artificial High Concentration CO_2 Warm Water Bathing on Low Back Pain and Rheumatoid Arthritis.J.J.A.Phys.M.Baln.Clim.63:173-180,2000.)に発表した。 加えて、その効果発現機序の解明の糸口として、炭酸ガスの血管拡張作用による早期の表面・深部体温上昇が認められ、それが効果に結びつく機序の一つであることを、第65回日本温泉気候物理学会総会(2000.6.21-23)で発表し、論文(Effects of the High Concentration CO_2 Bathing on the Body Temperature:1st Report,-Changes of the deep body thermometer and the surface skin temperature by artificial high concentration CO_2 warm water bathing-.J.J.A.Phys.M.Baln.Clim.64:113-117,2001.)の中で報告した。 次年度は、部分的な高濃度炭酸ガス温水浴でも効果があるのかどうかを検討することと、疼痛の軽減が神経にどの程度関与しているかを実験し検討報告する予定である。
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