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2000 年度 実績報告書

機能的電気刺激による対麻痺患者の歩行再建

研究課題

研究課題/領域番号 12832054
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

富田 豊  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50112694)

研究分担者 千野 直一  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051531)
本多 敏  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90092329)
キーワード筋疲労 / M波 / 足関節背屈
研究概要

近年交通事故による脊髄損傷,脳出血・脳梗塞による脳卒中などが原因で起こる中枢神経麻痺による障害が増加している.これらの障害では末梢神経や筋肉が正常である場合が多い.そこで,末梢神経や筋肉に電気刺激を与えて,歩行を再建する試みがなされているが,従来は大掛かりな装置と専従のオペレータを必要とした.また,あらかじめプログラムされた刺激しかできなかったので,長時間にわたって筋肉に電気刺激を与えた時の筋疲労により,同じ強度の電気刺激を与えても筋肉の収縮力が変わってきてしまった場合には対応ができなかった.
そこで,今回われわれは筋疲労をモニターしながら電気刺激を与えることのできる小型で使用が容易な電気刺激装置を試作することにした.試作に先立って,M波の振幅は筋疲労の指標となること,歩行遊脚時に下腿が前傾することを確認した.また電気刺激回路について計算機シミュレーションを試行した.その結果を考慮して,M波を観測するオブザーバをもつ小型の刺激装置を試作した.さらに,装置をスポーツ用膝サポータに収まる大きさまで小型化し,患者のズボンやスカートに隠すことができるようにした.装置は従来必要であったの商用電力を必要とせず,9Vの乾電池(006P型)1つで十分な電気刺激ができるようになった.
サポータに取り付けた本装置を患者の膝に装着し,電極を腓骨神経直上の皮膚上と前脛骨筋の筋腹直上の皮膚に貼った.また傾斜計をサポータに取り付け,鉛直より前傾した時に遊脚期と判断し,前脛骨筋に刺激を与えて,足関節を背屈させた.
上肢が正常ならば,患者自身で本装置を装着でき,爪先を接地せずに歩行することができるようになった.
今後,筋電図解析・歩行解析などにより歩行の質を確認する予定である.

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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