研究課題/領域番号 |
12832059
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
中嶋 寛之 日本体育大学, 体育学部, 教授 (50155727)
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研究分担者 |
青木 主税 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (20202468)
中里 浩一 日本体育大学, 体育学部, 助手 (00307993)
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キーワード | 変形性膝関節症 / 運動療法 / 水中運動 / 足圧中心 |
研究概要 |
変形性膝関節症の運動療法として、荷重位での運動は荷重位での動作が頻繁に行われる日常生活動作の改善が期待される。本年度は軽症の変形性膝関節症を有する中高年の女性を対象に水中運動療法の効果を検討することを目的とし研究を実施した。 軽症の膝OAを有する女性を対象とし、自身の選択で陸上、水中各5名に分けた。身体特性では、体重のみ水中群が有意に重かった。両群の1回運動は約50分間で、陸上運動療法は、ストレッチング、非荷重位での筋力強化およびバランス訓練、自転車エルゴメータ、ストレッチング、アイシングであった。水中運動療法はウォーミングアップ、水中歩行、バランス訓練、クールダウンであった。両群の運動療法実施期間は平均10週間(8-12)で、週1回実施した。身体特性(BW、%FAT、BMI)、痛みの主観的評価(Visual Analog Scale以下VAS)、日整会治療成績判定基準(以下JOAスコア)、75゜膝屈曲位での等尺性収縮筋力、自由歩行時の足圧中心(center of pressure以下COP)軌跡の前後への動揺などを測定した。 両群ともに運動実施前後の身体特性に有意な変化はなかった。水中群のVASは有意に低下し、JOAスコアは有意に増加した。陸上群は、VAS、JOAスコアに有意差は認められなかった。膝伸展筋力は水中群では両側とも増加し、開始時に認められた健側、患側における有意差は消失した。陸上群では患側のみ有意に増加した。COP軌跡の前後への動揺は、水中群は両側とも減少した。陸上群は有意な変化はなかった。また水中群はDrop outは見られなかったが、陸上群では、5名中2名のDrop outがあった。 水中群では、従来効果のあるとされている体重や体脂肪率の減少は認められないが、痛みや日常生活の改善が得られた。以上より水中運動療法は軽症の膝OAの運動療法として効果があると考えられる。
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