研究課題/領域番号 |
12833007
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中尾 敏彦 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (30094824)
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研究分担者 |
仮屋 尭由 独立行政法人農業研究機構, 九州沖縄農業研究センター・飼料畜産部, 部長
磯部 直樹 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (80284230)
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キーワード | ウシ / 胎子・胎盤機能 / 妊娠 / エストロンサルフェート / 胎盤停滞 / 新生子虚弱 |
研究概要 |
安全で信頼性の高い実用的な血漿中estrone sulfate(E1S)の直接測定法を開発するとともに、この方法により、肉牛の妊娠期の後期に2ポイントで血漿中E1Sを測定し、胎子胎盤機能の推定が可能かどうかを検討した。 (1)ELISAによる血漿中E1Sの直接測定法の開発 第二抗体を固相化したマイクロタイタープレートを作成し、ウェルに20倍希釈の血漿、酵素標識抗原およびE1S抗体を直接加えて2時間インキュベートした後、ウェルを洗浄し、ウェル内の酵素活性を測定した。所要時間は3時間であった。再現性、特異性、感度、簡便性のいずれにも優れた測定方法であることが確認された。 (2)2ポイント測定による胎子胎盤機能の推定 中国地方の試験研究機関で飼育されている肉牛94頭について、妊娠240日前後と280日前後の2回血液採取を行い、血漿中E1S濃度をELISAにより測定するとともに、分娩状況と新生子の健康状態の観察新生子体重と胎盤重量の測定および胎子娩出後胎盤排出までの時間の計測を行った。その結果、妊娠末期の血漿中E1S濃度と新生子体重、新生子の健康状態、胎盤停滞の有無との間に一定の関係があることが明らかとなった。また、妊娠240日目と280日目におけるE1S濃度測定は、新生子異常と胎盤停滞の原因となる胎子胎盤機能の異常のスクリーニングにある程度有効であることがわかった。
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