研究課題/領域番号 |
12833007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中尾 敏彦 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (30094824)
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研究分担者 |
仮屋 尭由 独立行政法人農業研究機構, 九州沖縄農業研究センター・畜産飼料作研究部, 部長
磯部 直樹 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (80284230)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | ウシ / 妊娠 / 胎子 / 胎盤 / 胎盤停滞 / 新生子虚弱 / 新生子死亡 / エストロンサルフェート |
研究概要 |
ウシでは、交配後85-90%で受精が起きるが、この受精卵が胚そして胎子になり、無事に子牛として生まれるのは50-60%に過きない。しかも、生まれた子牛の中には、新生子虚弱などのために発育が遅れたり、死亡するものも、少なくない。このような妊娠期の胎子の異常や新生子の異常の病態を解明する目的で、まず、胎子胎盤機能の指標になりうると考えられた血中のエストロンサルフェート(EIS)の測定法を開発し、その実用性を明らかにした。この測定方法は、抽出を行なうことなく、直接、血漿中のEISをELISAによって測定するもので、簡便かつ安全で、信頼性の高い方法として、今後の普及が期待される。そして、この方法により、ウシの妊娠期における胎子胎盤機能の推定を行い、新生子の体重および活力と胎盤排出時間や胎盤重量との関係を明らかにした。すなわち、妊娠期の血漿中ElS値が低く、胎子胎盤機能の異常が疑われたものでは、胎盤停滞や新生子異常を示すものが多いことが示唆された。さらに、ウシにおける妊娠期の胎子の発育異常のスクリーニング法を確立する目的で、測定法の簡易化をはかるとともに、測定ポイントを2回とした場合の、診断精度を明らかにした。 これらの結果から、本研究において開発された、血漿中エストロンサルフェート測定法は簡便で実用性が高く、妊娠末期に2回、測定を行なうことによって、胎子胎盤機能の検査が可能であり、新生子の健康状態や胎盤停滞の予測も可能であることが明らかとなった。また、この測定系で、糞中のEISを測定することも可能であり、血液採取が困難な家畜での応用価値が高いことも明らかにした。
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