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2001 年度 実績報告書

不全心および肥大心における腫瘍壊死因子遺伝子の発現制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12835001
研究機関群馬大学

研究代表者

横山 知行  群馬大学, 医学部, 講師 (70312890)

キーワード腫瘍壊死因子 / 心臓線維芽細胞 / 心筋細胞 / プロモーター / プロテインキナーゼG
研究概要

TNF産生にかかわる細胞内情報伝達系および転写因子を心臓線維芽細胞で検討した。ルシフェラーゼ法による転写活性の検討では、TNFαmRNA遺伝子のプロモーター活性はLPS、アンジオテンシンIIおよびエンドセリンI刺激により有意に増加した。また、プロモーターの5'-欠失変異体を用いた解析から、LPSによる活性化にはプロモーターの-200から-100bpまでの領域が、また、アンジオテンシンIIによる活性化にはプロモーターの-100から-70bpまでの領域が関与していると考えられた。-200から-100bpの領域にはSp1/Egr1(-172)、Ets(-116)およびcJun(-106)結合部位が、-100から-70bpの領域にはNF-κB(-97)結合部位が含まれる。これらのSp1、Egr1、Ets、cJunおよびNF-κBの結合部位にそれぞれ変異を導入し、LPSおよびアンジオテンシンII刺激によるTNFαmRNA遺伝子のプロモーター活性を測定したところ、LPS刺激においてはSp1結合部位が、アンジオテンシンII刺激ではEtsおよびNF-κBの結合部位がプロモーターの活性化に重要であることが明らかになった。一方、LPS刺激によるTNFαmRNA発現の亢進は、プロテインキナーゼGの特異的拮抗薬で抑制されたが、MAPキナーゼ、プロテインキナーゼAあるいはプロテインキナーゼCの拮抗薬では抑制されなかった。また、LPS刺激によるTNFαmRNA発現の亢進は、Srcファミリーのチロシンキナーゼの特異的拮抗薬で抑制されたが、JAK-2の特異的拮抗薬では抑制されなかった。以上より、LPSとアンジオテンシンIIとではTNFαmRNA遺伝子のプロモーターの活性化の機序が異なると考えられた。このことは、LPS刺激を主体とする感染症とレニン-アンジオテンシン系の活性化を主体とする心不全あるいは心肥大においては、心臓におけるTNF産生も異なると推察される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Hatori et al.: "Stress Thallium-201 myocardial scintigraphy in patients with 〜"Chest. 120. 1409-1412

  • [文献書誌] T.Tanaka et al.: "Overexpression of interleukin-6 aggravates viral myocarditis"J Mol Cell Cardiol. 33. 1627-1635

  • [文献書誌] K.Sekiguchi et al.: "Homeobox protein Hex induces SMemb/nonmuscle myosin 〜"Circulation Res. 88. 52-58

  • [文献書誌] T.Tanaka et al.: "Induction of VEGF gene transcription by IL-1β is mediated 〜"J Mol Cell Cardiol. 12. 1955-1967

  • [文献書誌] M.Arai et al.: "Mechanism of doxorubicin-induced inhibition of sarcoplasmic 〜"Circulation Res. 86. 8-14

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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