研究課題/領域番号 |
12835007
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
平田 健一 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (20283880)
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研究分担者 |
井上 信孝 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10304099)
横山 光宏 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40135794)
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キーワード | リパーゼ / リポ蛋白 / 動脈硬化 / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / マクロファージ / 冠動脈 / モレキュラークローニング |
研究概要 |
1.ラットEDLのクローニングと遺伝子の発現調節機構 私達はヒトおよびマウスに引き続き、ラットEDL cDNAをPCRを用いてクローニングした。ラットEDLはヒトおよびマウスEDLと高い相同性を有しており、その活性中心および三次構造を決めるシステイン残基は完全に保存されていた。EDL mRNAは主として肺、脾臓、小腸、腎臓大動脈に発現していた。また、血管リモデリングにおいて重要であるAngiotensin IIによってEDL mRNAの発現は誘導された。生体内においても、ラットの腹腔内にLPSを注射する炎症モデルにおいてEDLの発現は肺、脾臓において著明に誘導された。 2.EDL蛋白質の血液中での存在様式 EDLは分泌蛋白であり、ヘパリン結合部位を有しており、細胞表面に結合していると考えられる。Western Blotにおいて、denatureしない状態では本来の分子量の約2倍のところにbandを認め、ELISAにおいては同じ抗体でサンドイッチ法で測定することが可能であったことから、EDLは血液中で2量体を形成していると考えられた。 3.EDLのノックアウトマウスの作成と解析 現在、EDLノックアウトマウスを作成し、脂質を解析中であるがEDLノックアウトマウスではHDLの血中濃度が上昇する傾向を認め,マウスにおいてEDLはHDL代謝に重要な役割を果たしていると考えられた。 以上の結果より、EDLはHDLをはじめとするリポ蛋白代謝や血管局所でのリポ蛋白の取込みに関与し、動脈硬化をはじめとする血管病変の形成に重要な役割を果たしていると考えられた。
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