研究課題/領域番号 |
12835009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
木村 佳弘 山口大学, 医学部, 講師 (90301308)
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研究分担者 |
高 知愛 山口大学, 医学部, 助手 (70314797)
山田 康枝 山口大学, 医学部, 助手 (00166737)
乾 誠 山口大学, 医学部, 教授 (70223237)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 心筋 / 血管平滑筋 / 小胞体 / カルシウムATPase / ホスホランバン |
研究概要 |
ホスホランバンは心筋小胞体Ca^<2+>ATPase(SERCA2)活性を可逆的に抑制することにより、心筋の収縮力と弛緩速度を調節するとともに、血管平滑筋においても血管トーヌスを調節していると考えられている。この調節は細胞質ドメインと小胞体膜内ヘリックスの少なくとも2箇所の直接蛋白質間相互作用を介してなされている。本研究では、SERCA2とホスホランバンの細胞質ドメインの部分ペブチドによる再構成系を用いて蛋白質間相互作用様式の基礎的検討を行うとともに、両蛋白質間相互作用評価するアッセイ系を開発した。 SERCA2の燐酸化部位及びATP結合部位を含む細胞質ドメイン(331-726)の融合蛋白質とホスホランバンの細胞質ドメインの部分ベプチド(1-26)の融合蛋白質を作製した。さらに、ホスホランバンの燐酸化部位のSer, ThrをAspに置換した変異体を作成し、これらホスホランバン融合蛋白質とSERCA2細胞質ドメイン融合蛋白質との結合を検討した。さらに、ELISA plateを用いたアッセイ系を作成した。 ホスホランバン融合蛋白質はSERCA2細胞質ドメイン融合蛋白質と特異的に結合し、その親和性(K_D)は0.7μMであった。ホスホランバン燐酸化及び燐酸化部位のAspへの変異及び抗ホスホランバン抗体はこの結合を抑制した。以上より、ホスホランバンとSERCA2の細胞質内相互作用は部分ペプチドによって再構成することができ、この結合には膜内ドメインを必要としないことが明らかとなった。両蛋白質の細胞質ドメイン同士の結合はホスホランバンのSERCA2抑制機能を反映すると考えられる。この相互作用を阻害することにより、心筋収縮力と拡張能を改善し、血管抵抗を低下させる新しい心不全治療薬を開発できる可能性がある。
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