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2000 年度 実績報告書

心血管系の発生分化と機能維持に関るTEF-1ファミリー転写因子の分子解析

研究課題

研究課題/領域番号 12835010
研究機関熊本大学

研究代表者

大久保 博晶  熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (20094089)

キーワードTEF-1転写因子 / Scalloped / Vestigial / mVRF(Vg関連蛋白) / Tondu
研究概要

心血管系特異的な遺伝子の発現調節領域に存在するM-CAT配列には、TEF-1ファミリー転写因子が結合し、その発現に関与することが示唆されており、一方TEF-1遺伝子にホモの変異を持つマウスは、心筋の低形成により胎生致死となること等から、TEF-1転写因子ファミリー蛋白は心血管系の発生分化や機能維持に重要な役割を果たすと考えられる。また最近、ショウジョウバエのTEF-1ホモログscalloped(Sd)は、介在因子vestigial(Vg)との直接結合を介して翅特異的な遺伝子の発現を調節することが明らかにされ、高等動物においてもVg様因子がTEF-1と相互作用することにより転写調節を行っている可能性が強く示唆された。従って本研究においては、TEF-1転写因子ファミリーと相互作用する新たな介在因子の構造、機能、分布と発現調節機構の解析を通し、心血管系の発生分化を明らかにする目的で、マウスのVg関連蛋白(mVRF)と思われる新たなcDNAをRACE法及びRTPCR法により単離した。その結果、mVRFは307アミノ酸残基からなり、最近クローニングされ258アミノ酸残基からなるヒトのVgホモログのTonduとは49%の相同性を示すが、両者ともVgとはSd結合領域においてのみ相同性を示すことが明らかになった。またHeLa細胞への一過性の導入実験から、TEF-1ファミリー蛋白結合配列を持つレポーター遺伝子の活性が顕著に抑制された。さらにノーザンブロット法による解析から、胎盤に強く、胎児、精巣に弱いmRNAの発現を認めた。以上の結果から、哺乳動物においてもTEF-1ファミリー転写因子と相互作用し、その機能を組織特異的に調節する新たなVg様蛋白が存在することが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hisanobu Oda: "Structure of the mouse NDRF gene and its regulation during neuronal differentiation of P19 cells."Brain Research Molecular Brain Research. 77(1). 37-46 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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