[1次元光スキャナの試作] 昨年度設計した電磁力を駆動源とした導波路を捻るタイプの光スキャナの試作を試みた。この中で加工プロセスの改良、製作プロセスの修正を行った。 初期のプロセスでは、マスクの不具合で駆動用配線が後工程でのエッチングでダメージを受けるなどの問題が生じたが、マスクの修正などにより解決した。 修正プロセスにて試作を試み、光導波路の製作、駆動用配線の製作などに成功した。しかし、この後の酸素イオンを用いた深いエッチングにより可動部を形成する加工ステップで問題が発生した。可動部形成には構造体材料である光導波路用ポリイミドは深く掘る必要があるため、長時間の酸素イオンエッチングを行ったところポリイミドが黒褐色に変色した。これはイオン衝撃により基板が加熱されポリイミドが変質したためと考えられる。この問題は使用した加工装置に由来する問題であり、エッチング時間制御、イオン電流などプロセス条件の検討等を行ったが、実用的な条件を見つけることは出来なかった。加工装置の改良などが必要であり、今研究期間での解決は出来なかった。 [今後の課題] ステージ冷却部の改造、冷却手段の改善などの解決策の実施が必要であり、今後の課題として対策中である。
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