研究課題/領域番号 |
12838007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
立花 明知 京都大学, 工学研究科, 教授 (40135463)
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研究分担者 |
中村 康一 京都大学, 工学研究科, 助手 (20314239)
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キーワード | 界面量子化学 / 領域密度汎関数理論 / 電気化学ポテンシャル非相等性原理 / メソスコピック / 非可逆熱力学 / 量子力学的質量作用の法則 / 量子設計 / 化学反応性制御 |
研究概要 |
1.いくつかの面方位について、TiN表面にF原子が配位するプロセスに関して第一原理計算を用いて検討した。各TiN表面においてF原子が表面に近づくにつれ大きく安定化し、TiN(111)表面についてはF原子が配位しているTi原子に2つ目のF原子が容易に配位することが示された。F原子吸着の電子過程を領域密度汎関数理論の応用計算により議論した結果、フッ素配位数が2の場合においても、フッ素配位のドライヴィングフォースが電子集積に基づく領域電子エネルギーの安定化によるものであることが実証された。 2.GaN結晶の(0001)表面および(000-1)表面について、Ga原子・N原子が吸着するプロセスを第一原理計算を用いて検討した。各表面の第2層原子が吸着界面に及ぼす影響の相違により、吸着サイトや吸着原子の表面からの距離等に著しい面方位依存性が示され、原子の化学ポテンシャルは(0001)表面のほうが(000-1)表面よりも低く、結晶が成長しやすいことが明らかになった。また、領域密度汎関数理論の応用計算により結晶成長のドライヴィングフォースが電子集積に基づく領域電子エネルギーの安定化によるものであることを実証した。 3.Si(100)-1×1ダイハイドライド表面およびSi(100)-2×1モノハイドライド表面について、フッ素原子によるエッチング反応を第一原理計算を用いて検討した。フッ素原子のシリコン表面内部への侵入については1×1、2×1両表面ともに発熱的に進行し、その安定化エネルギーは両表面ともに水素終端Si(111)面と比較して著しく大きいことが示された。フッ素とシリコン表面間での相互作用やシリコン格子の結合の変化は領域密度汎関数理論に基づく運動エネルギー密度により系統的に理解できることを明らかにした。
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