本研究では、センサ上に画像処理回路を集積した新しい高機能イメージセンサを開発し、それを用いた高速画像処理システムの検討を行なった。以下に検討項目についてまとめる。 1高速画像処理に適した処理アルゴリズムの検討 高機能センサ内に実現する処理と、センサ外部での処理のアルゴリズムを検討した。センサ上では、フレーム間での動き画素の位置情報とその画素値を出力することにした。 2スマートイメージセンサの設計および試作 毎秒5000フレーム以上で動作する、128×128画素のCMOSイメージセンサの設計を行なった。センサチップは、アナログ処理回路を列並列に配置する構成により設計を行ない、試作サービス機関によりプロトタイプを製造した。 3スマートイメージセンサを用いたステレオカメラの開発 試作したVLSIチップを用いて、2眼のカメラシステムを製作した。 4FPGA等を用いた外部処理回路の設計と製作 2眼カメラが出力する情報(動き位置およびその画素値)を高速に処理するFPGA回路を設計した。毎秒1200フレーム以上においても十分動作可能である。 5実装した高遠画像処理システムの性能評価 3個以上の複数動物体を検出しフレーム間で個々の追跡が可能であることを確認した。また、視差情報により奥行きを即時に推定し、高速フレームレート下でも15cm精度の場合高い認識率が得られることを確認した。
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