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2001 年度 実績報告書

海洋性メタン生成菌を利用した高塩濃度廃棄物処理とエネルギー回収

研究課題

研究課題/領域番号 12839011
研究機関広島大学

研究代表者

西尾 尚道  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (30034383)

研究分担者 中島田 豊  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (10281164)
柿薗 俊英  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (00214255)
キーワード海洋底泥 / メタン / 耐塩性 / メタン生成菌 / 低級脂肪酸 / 醤油粕 / 集積培養 / UASBリアクター
研究概要

昨年度,海洋に存在するメタン生成菌が高い耐塩性を持つことを報告した。そこで,本年度は海洋汚泥ならびに高塩廃棄物である醤油粕の海洋性メタン生成菌を用いた処理・エネルギー回収方法を検討した。広島湾湾岸部に堆積する汚泥に含まれる有機物を,各種ビタミン類の添加により酢酸として遊離させることが可能であった。その後,遊離酢酸は酢酸資化メタン生成菌によりメタン化されたが,処理には60日もの長期間が必要であった。そこで,UASBリアクターを用い酢酸資化メタン生成菌を集積培養したところ,約100mmol/l/dのメタン生成速度が得られた。本メタン発酵槽と汚泥処理槽を連結した2槽式システムを構築し,汚泥処理を行ったところ酢酸の完全メタン化を含む処理期間が4日にまで短縮することとができた。一方,海洋汚泥を用いて3%食塩存在下,37℃での醤油粕の回分式嫌気消化処理を1ヶ月間行ったところ,約15%の醤油粕を分解できた。この時,低級脂肪酸として酢酸60mM,プロピオン酸20mMを生成し,メタン生成が起こるまでラグタイムとして約10日を要した。生成ガス中のメタン含量は約30%,メタン生成速度は最大で25mmol/m^3/dであった。醤油粕の場合,固形分の可溶化が律速段階となっていることが考えられたことから,前段に可溶化槽,後段に海洋性メタン生成菌を集積したメタン生成槽をもつ2段式メタン発酵システムが有効であることが予想された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takeno, K. et al.: "Methane fermentation of coastal mud sediment by a two-stage upflow anaerobic s1udge blanket (UASB) reactor system"Applied Microbiology and Biotechnology. 56(1/2). 280-285 (2001)

  • [文献書誌] 永井 他: "嫌気性微生物群による醤油粕の分解"日本醤油研究所雑誌. 26(6). 295-300 (2000)

  • [文献書誌] Takeno, K. et al.: "Methane fermentation of coastal mud sediment"The Proceedings of Fifth International Symposium on Environmental Biotechnology. P5-5 (2001)

  • [文献書誌] Nishio, N. et al.: "Methane fermentation of cellulose powder, sea sediment mud and soybean solid waste"The Proceedings of Fifth International Symposium on Environmental Biotechnology. O6-3 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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