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2001 年度 研究成果報告書概要

微生物のβ-グルカンホスホリラーゼの利用

研究課題

研究課題/領域番号 12839016
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 生物資源の変換と展開
研究機関大阪府立大学

研究代表者

川口 剛司  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (70195056)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
キーワードセロビオースホスホリラーゼ / セロデキストリンホスホリラーゼ / Clostridium thermocellum / セロオリゴ糖 / セロオリゴ糖類縁体
研究概要

Clostridium thermocellumのセロビオースホスホリラーゼ(CBPase)およびセロデキストリンホスホリラーゼ(CDPase)遺伝子の発現ベクターを構築し,宿主や培養温度などの条件を最適化することによって,CBPaseおよびCDPaseの生産量はそれぞれ培養液1Lあたり130,930mgに達し,これは元菌の約30倍,440倍の生産性に相当した.こうして発現させた両組換え体酵素を電気泳動的に均一にまで精製し,その諸性質を調べた結果,C.thermocellumで生産された酵素と違いはなかった.
組換え体酵素を用いてデンプンからセロオリゴ糖へ変換する方法を開発した.まずデンプンをポテト由来のα-グルカンホスホリラーゼで加リン酸分解することによってグルコース1リン酸を調製し,これにCBPaseおよびCDPaseを作用させたところ,重合度2〜6のセロオリゴ糖が合成され,デンプンからのトータルの転換率は1.73%であった.さらに,還元末端が標識されたセロオリゴ糖類縁体の合成も試みた.p-nitrophenyl-β-D-glucosideをグルコース受容体,グルコース1リン酸をグルコース供与体としてCDPaseを作用させたところ,還元末端がp-nitrophenyl基で標識された重合度2〜7のセロオリゴ糖が合成され,その転換率はグルコース単位にして59%であった.
以上のように,CBPaseおよびCDPaseはセロオリゴ糖の酵素的合成に利用でき,デンプンを原料とした安価なセロオリゴ糖の合成法を開発した.また,CDPaseは,非還元末端がグルコースであればアクセプターとして認識することが分かり,還元末端をp-nitrophenyl基だけでなく、4-methylumbelliferyl基や5-bromo-4-chloro-3-indolyl基などの発色団で標識したセロオリゴ糖類縁体の合成に利用できることが示され,セルラーゼの触媒機構の研究のための基質を安価に供給することが可能となった.

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公開日: 2003-09-17  

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