本年度はメディア論に関わる文献資料を集めながら、実際の芸術作品についても、メディア・アート作品を中心として調査研究を進めた。その際、インター・コミュニケーション・センター(新宿、東京)、あるいはテートギャラリー(ロンドン、イギリス)、メディアアートセンター(ポズナニ、ポーランド)、現代美術センター(ワルシャワ、ポーランド)にある資料も活用した。申請者は、平成9年にドイツ、ポーランド、11年にはイギリス、ポーランド、オーストリア、スゥェーデン各国を回って美術調査を行い、以来、各施設の学芸員との交流も継続しているため、利用にあたっての支障はなかった。 これと平行して、国内外の画廊、美術館における現代美術作品の調査、資料収集も併せて行った。特にカタログ類は、一般の書店では入手できないことが多いため、個別に依頼する必要が生じた。ここで集まった資料に基づいて、パーソナルコンピューターのデータベースに順次入力し、現代美術のデータベース作成とその充実に努めている。このようなデータの蓄積は、来年度以降当館で企画する展覧会にも活かすことを予定している。当館は開館以来20年を経過してきており、現代作家の資料もかなり収集、蓄積されてきている。しかし、メディアアートは比較的新しい分野であり、また美術館の収集作品の性格とも合致しづらい面があることから、さらなる資料整備を心がけて行った。
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