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2000 年度 実績報告書

精神病理的性格傾向と脳形態学的特徴との関係

研究課題

研究課題/領域番号 12871016
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

松井 三枝  富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (70209485)

研究分担者 野口 京  富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (10242497)
萩野 宏文  富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (10272915)
キーワード脳磁気共鳴画像 / MMPI / 分裂病型人格 / メンタルヘルス / 青年期 / 性格 / 脳体積 / 精神分裂病
研究概要

本研究では、精神病理的性格特徴と脳磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging:MRI)による脳形態学的特徴との関連を検討することが目的である。精神病理的性格については、正常か異常かといった2分法でよりも、ひとつの連続線上にあると考えられ、精神疾患との関連が考えられる。とくに、青年期は、120名に1人の発症危険率の精神分裂病に代表される精神疾患の好発期にあたり、メンタルヘルス活動の重要な対象として目を向けられるべきと考えた。
本年度は、健常者の性格検査とMRIスキャンを行い、双方の基礎的データを得た。すなわち、第1に青年期に当たる新入大学生267名に、代表的な性格検査であるミネソタ多面人格目録(Minnesota Multiphasic Personality Inventory:MMPI)を実施した。さらに、各個人ごとのMMPIブロフィールの解析結果、精神病理的性格傾向の高かった19名と全ての尺度で正常値を示した23名がランダムに選ばれた。本研究の目的と内容を説明し、書面にて同意の得られた全対象者に、1.5TのMRIスキャナ(Magnetom Vision,Siemens)にて、3D-FLASH法を用い、矢状断面をオリジナルスライス(スライス厚1mm)として、全脳の3次元撮像を行った。解析はUnix workstation上で統計パラメトリックマツピング(statistical parametric mapping:SPM)96を用い、まず全体の傾向について探索的検討を行った。今回は、MMPIの結果から、とくに精神分裂病尺度に着目し、その下位尺度である6つのHarris-Lingoes尺度について検討した。この中で自己制御減退の高得点群と低得点群のMRI体積を比較検討したところ、有意に高得点群の方が低得点群よりも補足運動野の灰白質体積が減少していることが認められた。本結果は分裂病型人格障害や精神分裂病に関連した自我障害に責任ある神経基盤を理解するための重要な手がかりを示唆していると思われる。さらに、平成13年度は個々のMRIの精密な体積測定を行い(とくに、これまで精神疾患で特徴的とされてきた脳部位である前頭葉と側頭葉の体積に焦点をあてて)、精神病理的性格傾向(精神病質的偏倚、抑うつ、精神分裂病人格、パラノイア、精神衰弱、軽躁病など)との関連の検討を行う予定である。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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