研究課題/領域番号 |
12871020
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
岩本 隆茂 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (10000605)
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研究分担者 |
斎藤 恵一 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助手 (50292131)
森 伸幸 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (10295917)
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キーワード | 代替療法 / altenative therapy / 音楽療法 / 動物(介在)療法 / STAI / 視覚映像刺激 / 心拍数 / セルフモニタリング |
研究概要 |
近年、「音楽療法」、「アロマテラピー」、「園芸療法」など一群の、総括していわゆる「代替療法」(altenative therapy)といわれるものについての関心が高まってきている。これらに含まれる「動物(介在)療法」は、理論と臨床現場での実施の両面ともに、比較的後発の療法である。しかしながら、最近、とみに注目を集めつつある療法であるといえよう。 本年度におけるわれわれの研究は、まず前年度に引き続き、「動物介在療法」の治療理論の深化と臨床現場への適用が行われた。Web検素などを用いて、現時点で得られる限りの動物介在療法に関連する論文を収集、分析することにより、動物介在療法の現在における理論的諸問題と、臨床現場における現時点の諸様相が明らかになった。この文献学的研究の詳細は、岩本隆茂・福井至(共編著)『アニマル・セラピーの理論と実際』(2001年12月刊行、217頁:培風館)にまとめられているが、この出版物は、全国の動物介在療法に関心をもつ研究者や治療家に対して、大きな関心をもたらしたようで、われわれに対する照会はいまなお多い。 われわれは一報ではこの文献学的研究に基礎をおきながら、他方、本年度においては臨床的研究に結びつけるための中間に位置する重要な研究として、不快な視覚的刺激の注視や不快な文章の朗読などというストレス下における、健常な成人(46名)に対する動物(イヌ:マルチーズ種、♂5歳)の映像視覚刺激の提示(ビデオ)の効果を実験によって明らかにしようとした。生理的指標として心拍数、皮膚温が測定され、心理的指標としてはSTAI状態不安尺度、GHO、ハッスル尺度、セルフモニタリングなどが用いられた。なお、視覚映像は、静止画と動画の2条件が設定されていた。 この実験の結果、不快視覚刺激の提示は心拍数に影響を与えるが、動物の視覚映像を受けた群では心拍数が有意に低下し、この効果はとくに動画条件において顕著であることが見いだされた。
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