研究概要 |
1 「学校評議員制度」に関する文献研究 「学校評議員」「開かれた学校」「地域と教育」をキーワードとして,理論的・実践的な先行研究資料の収集を行い,試行段階にある「学校評議員制度」の意義と課題についての検討を行った。具体的には茨城県におけるモデル校の取組みを示す文書類と,その行政的背景としての茨城県教育委員会の指針や各校への対応に関する文書について収集を行うとともに、他府県の「学校評議員制度」導入の方針や府県下各校の取組みをインターネットから収集した上で、それらの比較検討を行い、その特質及び問題点について分析を行った。 2 「学校評議員制度」の試行的取組みに関する基礎的研究 茨城県では,平成13年度から「学校評議員制度」導入のモデル校を設定し,地域の人材を学校経営のシンクタンクとするための試行に着手した。本研究では,これに関する資料収集と関係者へのヒアリングを進めた。具体的には,那珂町教育委員会主催の学校評議員制度協力者会議に参加し、町内全ての小・中学校の試行的取組みの状況を把握するとともに、それを支える行政的支援の実際、さらに行政と学校の取組みを点検評価し問題点の抽出とその改善策を提供する外部人材(協力者)の意見などを聴取した。この中で特に学校の行った保護者による点検評価体制の構築について詳細に調査した。 3 外部人材活用の実践検討 「学校評議員制度」が試行段階にあることを踏まえて,調査研究対象を広げ,積極的に外部人材の活用を展開しているいくつかの実践事例の検討を行った。とりわけ平成14年度から完全実施となる「総合的な学習の時間」では,外部人材の活用が不可欠となり,そのための教育課程経営および外部人材の活用体制づくりの重要性が高まる。本研究では,その一事例として茨城大学教育学部附属中学校の「総合的な学習の時間」に関する研究と有機的連携を図って、スクールボランティアの組織化の事例の検討を行った。外部人材の活用は、「学校評議員制度」を導入・発展させていくための中心的な課題として位置づけ、特にその方法と課題について検討した。
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