平成13年度は以下の研究・調査を行った。 1.文献の収集・翻訳 日本のオルタナティブ教育関連の文献(関連書籍)のみならず代表的な<学び舎>の第一次資料も収集した。また研究の視座としてもっとも重要な<公共性>の観点から資料整理に着手した。例えば、東京のフリースクールの「ジャパン・フレネ」では、毎週「自治会」が開催され、その記録(一部)がネット上で公開されている。こうした資料を分析すると同時に、実際にフィールドを訪れ、インタビュー等を重ね、<公共性>の芽生え、変容等について観察した。 2.調査対象校の選定 本調査の事前調査であった科学研究費奨励研究「オルタナティブな学習施設の実態に関する調査研究」(研究代表者:永田佳之、1998〜1999年度)のデータおよび因子分析の結果をもとに、質的調査の可能な学習施設(フリースクール、フリースペース等)を選定した。 3.参与観察およびインタビュー いくつかのフリースクール等を訪れ、参与観察および関係者へのインタビューを実施した(公立初のフリースクールとして注目されている兵庫県立神出学園等)。 4.最近の市民運動の把握 「不登校新聞」や「湘南に新しい公立学校をつくる会」等から情報を収集すると共に、関係者から現状や今後の展開等についてインタビューを行った。こうした市民サイドの動きからも新しい<公共性>を再構築していく「芽」を読み取る作業を繰り返し行った。 5.海外の事例 実際に海外調査を行うのは平成13年度の調査になるが、そのための事前の情報収集を行った。ヨーロッパではデンマークやイギリス、アジアではタイや韓国など国内でも収集可能な資料等を集めた。
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