ドイツ新聞学の成立と日本での受容をめぐる本研究の基本的枠組みについて、2000年6月5日関西大学において開催された日本マスコミュニケーション学会大会のワークショップ「日本におけるメディア史研究の源流」で報告した。その概略については、『マスコミュニケーション研究』58号に掲載される予定である。なお、この報告を発展させドイツ新聞学成立史に絞った内容を、同志社大学で2001年6月に開催予定の日本マスコミュニケーション学会大会シンポジウムでも報告予定である。 なおドイツ新聞学研究の意義について、「ドイツ広報史のアポリア-ナチ宣伝からナチ広報へ」『広報研究』(日本広報学会)を執筆した。ここでは、第三帝国時代のメディア研究を分析対象とするためには、「宣伝」というイデオロギー色の強い視点からの考察ではなく、「広報」ないし「公示」という中立的な視点が必要であることを具体的に提示した。 また、『情報学事典』(弘文堂・2002年刊行予定)で「公示学」「宣伝学」など関連項目を執筆した。さらに、ナチズムとメディアをめぐる資料集として『『外国の新聞と雑誌』にみる海外論調』(ドイツ編・全五巻・柏書房2000年)を編集し解題を執筆した。また、日本の大衆文化におけるナチズム問題のメディア分析として『ヒトラーの呪縛』(飛鳥新社2000年)を編集した。 平成13年度は予定どおり「宣伝学と世論研究」「ジャーナリスト教育」に関する研究を行い雑誌に発表するつもりである。
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