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1.インド伝統医学の古典的文献のうち、医学全書としての性格をもつ『チャラカ・サンヒター』(紀元後6世紀頃成立)、『スシュルタ・サンヒター』(紀元後6〜7世紀頃成立)、『アシュターンガフリダヤ・サンヒター』(紀元後8世紀頃成立)、『アシュターンガ・サングラハ』、『ベーラ・サンヒター』といった基本文献のうち、既に出版されているテキストを出来る限り収集した。
2.これら基本文献のうち、『アシュターンガ・サングラハ』のテキスト全文をパーソナルコンピューターを用いて入力、デジタル化し、テキストデータベースを構築した。
3.古典医学書『ベーラ・サンヒター』の手書き写本とその転写写本のマイクロフィルムを入手し、それらを用いて校訂テキスト作成の作業を進めた。また、特に重要な写本のマイクロフィルムをパソコン用スキャナーを用いて読み込み、デジタル化し、写本画像のデータベース構築のための作業を進めた。
4.インド伝統医学の治療実践に関して、文献から得られる情報を補うために、インド共和国ケーララ州にて、現地研究者の協力を得て、特定の疾病に対する診察・診断・治療の実態についての記録、および医学写本に関する情報を収集した。この現地調査結果の一部は「インド伝統医学の現在-ケーララ州における調査結果(1)-」(『京都学園大学経営学部論集』第11巻第3号pp.135-155)として発表した。
5.インド伝統医学の疾病概念と疾病分類に関して、インド伝統医学特有の医学理論を踏まえて、その特徴の一端を明らかにした。特に、古典医学書『マーダヴァ・ニダーナ』に見られる疾病分類に関しての研究を行い、その成果の部を、「古代インドの病理論書『マーダヴァ・ニダーナ』について」として日本医史学会第102回総会(2001年9月29日 東北大学)において口頭発表を行った。
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