研究課題/領域番号 |
12872007
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研究機関 | 山梨学院大学 |
研究代表者 |
渡部 壮一 山梨学院大学, 法学部, 教授 (50240536)
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研究分担者 |
山内 幸雄 明治大学, 法学部, 教授 (20166581)
江藤 俊昭 明治大学, 法学部, 教授 (80232958)
山内 健治 明治大学, 政治経済学部, 助教授 (60254728)
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キーワード | 民族 / 言語 / 自治 / 選挙 / 家族 / 社会構造の変化 |
研究概要 |
今回の調査の目的は、前回の調査と同様に四川大学歴史系の協力を得て、調査の内容のみではなく、調査の方法論を検討することであった。調査の旅程は、康定県、炉ジャク県、廿孜県、徳格県に至り、チベット自治区の境界に及ぶものである。今回の調査を経て、多民族国家としての中国の国内に生きる人々の民族意識の変化に気付かされた。 チベットに関しては、チベット問題という民族問題の概念枠で論じられている。その概念枠とは、中国の軍事的・経済的なチベット侵攻とそれに対するチベット国家の独立という二局による歴史の構築が前提となっている。確かに、中国は、現在西部開発を進めていて、多くの中国人の移住があり、中国化が確実に進行中である。さらに、一部では中国人地区に使用人として労働するチベット人も見られた。権力とイデオロギーを前提とした二局的な見解では、対立は深層化するのみである。我々の調査では、この二局的な見解から離れて、二局的な見解から離れている人々の視線から民族を見つめてみたい。この点で、四川大学の代表者と見解を一つに出来た。
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