研究課題/領域番号 |
12874001
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮本 雅彦 筑波大学, 数学系, 教授 (30125356)
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研究分担者 |
内藤 聡 筑波大学, 数学系, 助教授 (60252160)
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キーワード | テーター関数 / ラティス / モジュラー不変 / ヴィラソロ代数 / 自己同型群 / モンスター単純群 / 頂点作用素代数 / ムーンシャイン予想 |
研究概要 |
頂点作用素代数の概念は現在、2次元共形場理論を代数化したものと理解されているが、通常の2次元共形場理論がモジュラー不変性を仮定するのに比べて、頂点作用素代数の公理にはこのようなモジュラー不変性が入ってはいない。しかしながら、ズーが証明したように、強いモジュラー不変性を示している。 通常はヴィラソロ元を次数関数として、トレイス関数を構成し、一変数のトレイス関数がモジュラー不変性を示すのであるが、本研究は研究代表者の宮本が単純なトレイス関数だけではなく、変形頂点作用素代数の次数の空間における共形元の直和を使い、多変数のトレイス関数を定義したにも関わらず、大きな群に対する不変性をしめしたのが出発点である。 平成12年度では、ムーンシャイン頂点作用素代数において、48組の共形元を使ってトレイス関数を定義することにより、48変数関数を定義し、この関数が非常に大きな群に対して不変性を持つことを示した。この関数に対する不変な空間は非常に興味ある対象であり、モンスター単純群との関係が注目されており、この方面の研究はこれから目標の一つとなっている。また、共形元というヴィラソロ元とは異なる元によるトレイス関数という考え方を発展させ、加群から加群への交絡作用素によるトレイス関数を考えることに着目した。これは多くの場合に、通常のトレイス関数と違って、モジュラー形式がいくつも出てくる場合があり、非常に強力である。それ故、交絡作用素のトレイス関数に対してもモジュラー不変性が自然に成り立つことを示すのが、次年度以降の目標である。
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