研究分担者 |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50186847)
寺西 鎖男 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (20115603)
谷川 好男 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50109261)
柳井 裕道 愛知工業大学, 基礎教育系・自然科学教室, 助教授 (50191143)
斉藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
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研究概要 |
1.Verlinde公式は階数2のベクトル束の場合に限っても,二つのパラメータ(種数gと点の数n)をもっている. 「モジュライ理論2」 ではg=0とn=0の二つの場合の代数幾何的証明を与えたが,gもnも零でないときにも同じようにMumford関係を用いて証明できるかどうかを調べた. 2.モジュライ空間の次数の計算はg=0の場合には母関数の微分方程式を解くことによって,自然にオイラー数であることが導けることがわかった.これに対して,n=0の場合は現在のところではベルヌーイ数でかけることが証明できるだけで,計算できる状況になっていない.これを改良すべく挑戦したが,連立偏微分方程式で行き詰まっている. 3.Verlinde公式にはモジュライのコホモロジー環の本質部分の構造だけで充分であるが,全コホモロジー環の構造も解明されるべきである.Zagierはn=0の場合にこれを行ったが,同様の方法でg=0の場合も解決することに成功した. 4.コホモロジー環の本質部分の構造はn=0の場合はGrassmann多様体G(3,g+2)と,そして,g=0,n=2h+1の場合は同じくG(2,h+1)とよく似ている.これに刺激されて,両モジュライの関係や一般のGrassmann多様体G(r,n)に対応するモジュライについて研究した. 5.超楕円曲線のJacobi多様体やベクトル束のモジュライと偶数次元2次超曲面のpencilの関係はよく知られている.これを補足すべく,偶数次元2次超曲面のpencilと2次曲線束のモジュライとの関係を与えた.
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