研究課題/領域番号 |
12874014
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 道夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90166736)
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研究分担者 |
林 祥介 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20180979)
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キーワード | 流体方程式 / 回転球面 / 地球流体力学 / 直交多項式展開 / スペクトル法 / 極座標系 / 等角写像 / 乱流数値実験 |
研究概要 |
球面上で円形の剛体境界を持つ領域における流体方程式の数値解法を作成するため、これまで、等角写像(ステレオ写像)を用いて領域を平面上の円盤領域に写像し、その上で直交多項式を用いてNavier-Stokes方程式を解く方法を開発してきた。この手法は、円領域の位置を大きさを自由に設定でき、流体方程式の形をほとんど変形することなく扱える利点があるため、平面上の領域における流体方程式のための数値スキームを応用できるという特徴を持っている。この数値解法の応用としては、たとえば、地球や惑星の大気・海洋を念頭において、回転する球面上における流れのパターンの研究などがある。しかし、平面円盤上も含め、このような極座標系による扱いでは、中心における特異性が問題となることがあり、特に、流体方程式のように微分階数の高いものは、高階微分における不連続性の発生に注意する必要がある。そこでここでは、このような不連続性を避けるため、直交多項式展開における多項式の組み合わせを注意し、いくつかの事例で実際に数値計算して検討した結果、粘性項の中心原点における発散を許しても、流れの全体的な振る舞いへの影響は少ないことを見出した。これは、直交多項式の組み合わせはそれほど複雑でない範囲で扱うことが可能であることを意味しており、この方法を用いて、回転球面における乱流の数値実験を実行した。しかし、このような特異性を完全に除くには、特定の多項式(Jacobi多項式)を用いたスキームを採用する必要があり、このようなスキームについて協力者の石岡圭一氏(東大数理科学)らと検討した。
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