研究課題/領域番号 |
12874028
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
西川 淳 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 助手 (70280568)
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研究分担者 |
鳥居 泰男 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 助手 (50227675)
吉澤 正則 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助教授 (20126197)
佐藤 弘一 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (80000173)
大石 奈緒子 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助手 (60332160)
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キーワード | 光干渉計 / 光ファイバ / 光遅延線 / 干渉縞 / 偏光 / すばる望遠鏡 |
研究概要 |
本研究では、すばる望遠鏡と他の望遠鏡との結合による干渉計の実現性を示すことを目標に、長基線光干渉計の要素技術である、光ファイバー伝送路と真空光遅延線やそれらに付随する光学素子の基礎実験を行った。 ファイバ長測定では、測距計の光学系の改良と白色フリンジファイバ入替え法で1mmの誤差で2本の100mオーダーの光ファイバの等長測定が出来るようになった。 ファイバとのカップリングでは、短焦点の収差の極めて小さいレンズを入手し、ファイバへの入射で色ずれが解決されることを確認した。 分光干渉縞の測定とガラス板厚の微調整装置により、10μmオーダーで長さ補正が出来るようになった。結果として、100mファイバにおける干渉縞のコントラストは、レーザの波長で偏光状態を合わせて測定したところ、レーザで0.9、白色光(600nm-760nmの広帯域光)で0.45まで向上した。この時、各波長での干渉縞はコントラストが一定でなく、ファイバの曲げで変化することが分かった。 そこで、100mファイバ通過後の各波長の光の偏光状態を調べる装置を追加し、1/λの波長依存性で2λ程度の波長板に相当する光学的変調を受けていることを見出した。それは、直径40cmのリールに約80回巻かれたファイバの影響であると考えられた。小さなファイバループならば少しの巻数でその効果をキャンセルできると考えて、数値的シミュレーションでその効果を確認した。実験的にはまだ困難がある。 精密光遅延線は実装機の製作が終わり、性能評価測定のための電気系・光学系・ソフトの開発を継続している。真空遅延線基台のパーツはほぼ製作を終了し、性能出しのための試験を継続している。
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