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2002 年度 実績報告書

くりこみ群による量子トンネル効果の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12874029
研究機関金沢大学

研究代表者

青木 健一  金沢大学, 理学部, 教授 (00150912)

研究分担者 寺尾 治彦  金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (40192653)
キーワードトンネル効果 / まさつ / 散逸 / くりこみ群 / 量子まさつ / 非摂動 / 長距離相関 / 局在化
研究概要

非自明な環境下、特に散逸がある場合の量子トンネル効果の解析を行った。
散逸効果は、古典的には摩擦力として簡単に導入できるが、ラグランジアンやハミルトニアンを必須とする量子論では、簡単に導入することはできない。そこで、摩擦のミクロな根拠に戻って、実際に多数の環境自由度と相互作用がある系を用意し、環境自由度についての量子効果を積分することによってターゲット自由度の有効相互作用を導き、この有効相互作用のもとでのトンネル効果について非摂動くりこみ群によって解析する、という手法を開発した。
有効相互作用は、時間方向に非局所的な長距離相関項を含み、普通の意味でのハミルトニアンはエネルギー固有値、エネルギー固有状態という概念で系を考察することができない。これまでは、経路積分を半古典的に解析するいわゆるインスタントン法に対して、この長距離相関項を摂動的に取り入れて解析されてきた。しかし、長距離相関項を摂動的に扱える保証はまったくない。そこで我々は、普通の非調和振動子や、摩擦のないトンネル効果の場合に、インスタントン法と相補的に良い結果を与えることを既に示している非摂動くりこみ群による有効ポテンシャルの評価、という手法をこの場合に拡張して適用した。
トンネル効果が摩擦によって抑制されると、局在化が起きることが予想されるが、これを相転移として捉え、局在化感受率を定義して、それの発散を外挿によって求めた。その結果、摩擦力を十分強くすると、局在化相転移が確かに起きること、しかし、その臨界摩擦力はこれまでのインスタントン法による評価よりはかなり大きいことを示した。更に、この相転移が2次転移で、ある種のユニバーサリティを持っていること、を示唆する結果を得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K-I.Aoki, A.Horikoshi, M.Taniguchi, H.Terao: "Non-Perturbative Renormalization Group Analisys in Quantum Mechanics"Prog.Theor.Phys.. 108-3. 571-590 (2002)

  • [文献書誌] K-I.Aoki, A.Horikoshi: "Nonpeturbative renormalization group approach for quantum dissipative systems"Phys.Rev. A. 66. 042105-1-9 (2002)

  • [文献書誌] H.Terao: "ERG and Schwinger-Dyson Equations -Comparison in formulations and applications"Int.J.Mod.Phys.. A16. 1913-1926 (2001)

  • [文献書誌] T.Kobayashi, H.Terao: "More about Kaluza-Klein Regularization"Prog.Theor.Phys.. 107. 785-792 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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