研究概要 |
DAC-NMRの予備実験として、極微小NMR用受信コイル(外径300μm、長さ250μm)を作製し、非金属ガスケットの圧力空間内にコイルをセットして、常圧下で信号観測を試みた。試料には、既知である遷移金属化合物LiV_2O_4、有機化合物NDMAPなどを用いた。現在までに、強磁場下でNDMAPの水素(H)の信号観測に成功している。しかしながら、10GPa以上の圧力発生のためには、さらにコイルを小さくする必要があり、その可能性を追求する予定である。また、水素以外の種々の核に応用可能かどうか検証する必要があり、より広範囲の周波数、種々の試料での予備実験を行う。 DAC-NMRの別のアプローチとして非金属ガスケット外にコイルを置く方式も検討中である。100GPa領域を念頭におく場合には、前段の方式では圧力発生に限界があるためである。問題は,試料充填率の著しい低下による、信号強度の著しい減少が予想される点にある。観測対象は限定されるが、この方式は将来のメガバール領域のNMR実験に道を開くものと考えている。
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