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2000 年度 実績報告書

量子相転移における臨界圧縮率の測定

研究課題

研究課題/領域番号 12874043
研究機関東京大学

研究代表者

和田 信雄  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90142687)

研究分担者 池上 弘樹  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70313161)
キーワード吸着圧力 / ヘリウム / 吸着エネルギー / 圧縮率 / 比熱 / フォノン音速 / 1次元ボース系
研究概要

メゾ多孔体へのヘリウムの吸着圧力を1K以下の低温で1Pa程度までの高感度・高精度測定をおこなうことが可能なダイアフラム型の圧力センサーの開発に成功し,これを用いてFSM-16中のヘリウム3と4の吸着圧力を測定した.その結果吸着エネルギーと圧縮率を以前に比べて十倍程度正確に測定できるようになった.
こうして求めた吸着エネルギーと圧縮率から,FSM-16の18Aの1次元細孔中のトンネル壁面に,吸着原子が2層まで層形成することを明らかにした.そして比熱結果との対応から,1層目は固体的で量子液体ではないが,2層目の吸着ヘリウムが量子液体状態であることが判明した.この2層目液体は,直径が約10Aの液体薄膜でできたチューブである.液体薄膜の等温圧縮率は,一定温度での吸着圧力の吸着量依存から求められた.
圧縮率からは更に液体薄膜の音速を求めることができる.また4Heボース液体の場合はフォノン比熱から音速を求めたが,両者は極めて良い一致をしめした.このことで吸着圧力から圧縮率を求める有力な手法を構築したといえる.圧力測定や比熱などから,1次元メゾ多孔体中での1次元ボース流体の存在が明らかになり,この流体中の4He原子間の相互作用の大きさは,圧縮率とLiebらの厳密解との比較から定量的に求められた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Hieda, 他: "Slippage of nonsuperfluid films"Phys.Rev.Lett.. 85. 5142-5145 (2000)

  • [文献書誌] J.Taniguchi 他: "Layer-by-layer growth of ^4He adsorbed on one-dimensional 18Å-pores"J.Low Temp.Phys.. (掲載予定). (2001)

  • [文献書誌] N.Wada 他: "Compressibility of ^4He Bose fluids adsorbed on one-dimensional 20Å-pores"Physica. B284-288. 137-138 (2000)

  • [文献書誌] H.Yano, 他: "Calorimetric study of the quntum degeneracy of ^3He adsorbed on one-dimensional 18Å-pores"Physica. B284-288. 236-237 (2000)

  • [文献書誌] M.Hieda, 他: "Interfacial slippage of helium films on 2D mesoporous Hectorite"Physica. B284-288. 125-126 (2000)

  • [文献書誌] M.Hieda 他: "Mechanical responses of helium films adsorbed on two-dimensional mesoporous hectorite"Physica. B265-264. 370-372 (1999)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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