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2000 年度 実績報告書

火星氷床の形成史と流動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12874054
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

東 信彦  長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70182996)

研究分担者 東 久美子  国立極地研究所, 助教授 (80202620)
キーワード火星 / 氷床 / 流動 / 惑星 / 気候変動 / 結晶組織 / 変形機構 / 涵養消耗
研究概要

火星の極地には氷床が存在し、多量のH_2OやCO_2が貯えられていることが最近の火星探査機等の観測により明らかになった。最新のドライアイスの力学試験結果(Durham et al,in press)からドライアイスでは強度が小さく、表面高度から推定される3kmもの氷厚を維持できないことが明らかとなり(Nye et al,in press)、氷床内部はH_2O氷である可能性が高くなった。また表面気温は150K〜210Kぐらいで、アルベードの観測から多量のダストが混じった氷体と考えられる。従って、氷床形成・維持機構については地球氷床とは全く異なったメカニズムを検討する必要があるが、流動現象については地球氷床とのアナロジーを用いて研究することができる。
本研究では氷床のトポグラフィから火星氷床が流動しているのか、またどれくらい古い氷が存在するのかについて理論的な検討を行った。まずMOLA(火星極軌道衛星搭載レーザー高度計)により最近採取された表面高度データを用いて氷床の表面形状を近似し、氷の密度を1400kg/m^3(Zwalley,personal communication)として底面せん断応力を求めると0.01〜0.07Mpaとなる。次に定常温度分布を仮定して氷床内温度分布を求め、予想される応力・温度範囲内で変形機構図を作成したところ、火星北極氷床の変形機構は地球の場合と同じで、拡散クリープと転位クリープの境界付近にあると考えられる。これらより流動則を考慮して火星北極氷床の平均流動速度および鉛直ひずみ速度を推定したところ、0.03〜0.18m/a,6×10^<-8>〜2×10^<-7>a^<-1>となり、消耗域の氷の年代を求めたところ数百万年から数千万年と見積もることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 東信彦 他3名: "火星北極氷床の形態と流動特性"日本雪氷学会講演予稿集(2000). 103 (2000)

  • [文献書誌] S.Clifford 他53名: "The State and Future of Mars Polar Science and Exploration"Icarus. 144. 210-242 (2000)

  • [文献書誌] 東信彦: "火星の極域科学と探査に関する国際会議"日本惑星科学会誌「遊星人」. Vol10,no1.. 26-28 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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