• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

補助溶媒を用いた溶媒抽出によらない溶質の濃縮法

研究課題

研究課題/領域番号 12874096
研究機関熊本大学

研究代表者

實政 益  熊本大学, 理学部, 教授 (60040119)

キーワード陰イオン界面活性済 / イオン対 / メチレンブルー / 濃縮 / 溶媒抽出
研究概要

陰イオン界面活性剤を1-hexaneを補助溶媒として用いて、分液漏斗壁に効果的に捕集することに成功した。100〜500mLの試料水溶液を分液漏斗に採取し、10_<-3>Mのメチレンブルー溶液を試料100mL当たり3mL加え、そこに数滴の1-hexaneを添加して、激しくかき混ぜ、その後で、静置すると、陰イオン界面活性剤がメチレンブルーとのイオン対として分液漏斗壁に捕集される。試料水溶液を分液漏斗から排出させて、分液漏斗壁を10mLのMIBKで洗浄して、その吸光度を測定して、試料水溶液中の界面活性剤濃度を求めることができる。従来の溶媒抽出法が有機溶媒と試料水溶液との間の分配現象に基づいているのに対して、今回開発した方法は、分配に基づかないため、濃縮効率が試料水溶液の量には依存しないという利点がある。さらに、従来の公定法はクロロホルムのような有害な溶媒を多量に使用しているのに対して、本法は、そのような溶媒を用いず、比較的無害な1-hexaneを数滴使用するだけであり、環境に優しい濃縮法であるということができる。本法を河川水、水道水に適用したところ、公定法とほぼ同じ値が得られた。現在、この結果をとりまとめて論文を作成中である。
今回開発した濃縮法は、界面活性剤のみならず、他の疎水性溶質にも適用できることが判明した。即ち、水溶液中の金属イオンを濃縮する場合、適当な錯化剤を加えて、錯体として、分液漏斗壁に濃縮できることが、鉄(III)及びアルミニウム(III)を用いた実験から明らかになった。

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi