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2000 年度 実績報告書

植物の成長制御における膨圧の役割

研究課題

研究課題/領域番号 12874108
研究機関大阪市立大学

研究代表者

飯野 盛利  大阪市立大学, 理学部, 助教授 (50176054)

キーワード膨圧 / 浸透調節 / オーキシン / アブシジン酸 / 青色光反応 / プロトプラスト / 成長制御
研究概要

本研究の目的は膨圧変化が成長制御の一つの基本的な機構として働いているかを解明することにある。本年度は主にプロトプラストを用いた研究を行った。まず、インゲンマメ葉枕を用いた研究を進展させ、ABAはイオンの放出を促してプロトプラストの収縮反応を誘導すること、この反応において陰イオンチャンネルが重要な役割を果たしていること、一方、オーキシン(IAA)はイオンの取り込みを促してプロトプラストの膨潤反応を誘導することを明らかにした。これまで得られた結果を論文にまとめた(投稿、審査中)。次に、エンドウの茎(表皮組織)から単離したプロトプラストを用いてIAAの作用を調べ、葉枕のプロトプラストと同様にIAAに反応して膨潤することを明らかにした。この結果から、IAAによる膨潤反応はIAAの成長促進作用に関与していると考えられる。また、得られた結果は膨圧の変化によって成長調節が起こるという仮説を支持している。更に、IAAによる膨潤反応は外液からのイオンの取り込みによることを明らかにし、そのイオン取り込みには、プロトンポンプ、内向き整流性のK^+チャンネルとCl^-/H^+ symporterが関与していることを示す結果を得た。また、膨潤反応は外液のCa^<2+>に依存しないことが分った。したがって、外液のCa^<2+>はIAAのsecond messengerとしては働いていないことになる。すでに、エンドウ茎のプロトプラストはフィトクロムを光受容体とする反応によって膨潤すること、この反応は外液のCa^<2+>に依存することを明らかにしている(Long and Iino,2001)。フィトクロムとIAAによる膨潤反応は異なったメカニズムによると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Long,C.and Iino,M.: Plant Physiology. 125/1. 1-16 (2001)

  • [文献書誌] Iino,M.: "Phototropism in higher plants. In : EPS Comprehensive Series in Photosciences, Photomovement (eds.,D.-P.Hader & M.Lebert)"Elsevier Science. 154 (2001)

  • [文献書誌] 飯野盛利: "分担「光を求めて曲がる-光屈性」光が拓く生命科学,第3巻,生命を支える光(佐藤公行,和田正三 共編)"共立出版. 13 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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