• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

光ヘテロダイン原子間力顕微鏡による固体熱物性のナノスケールイメージングの研究

研究課題

研究課題/領域番号 12875007
研究機関北海道大学

研究代表者

WRIGHT Oliver B  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90281790)

研究分担者 松田 理  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30239024)
キーワード原子間力顕微鏡 / 超音波 / レーザー / 熱波 / ナノ構造 / ヘテロダイン / 走査プローブ顕微鏡 / 薄膜
研究概要

光ヘテロダイン顕微鏡を、励起周波数11MHzにおいて動作させ、表面下に埋め込まれている構造をnmの横分解能で画像化できることを確認した。試料として、Si基板上にCrを100nm蒸着した薄膜および、Si/Crの間に厚さ150nmのSiO_2層が埋め込まれている1次元ナノ構造をこのようにして作成した。Si上に直径2μmのポリスチレン球を適当な間隔で置き、その上に高周波スパッタリング法によってSiO_2層を製膜する。ポリスチレン球を洗浄によって除去し、その後にCrを真空蒸着することで、Cr表面下にSiO_2が埋め込まれた構造を作成した。
この試料について、光ヘテロダイン顕微鏡によって振幅および位相像を得た。SiO_2が埋め込まれている領域とSiO_2が存在しない領域を比較すると、振幅には顕著な変化がみられなかったが、位相については40°という大きなコントラストを得た。また、これが光照射によって生じた熱膨張信号であることを確認するために、光ではなく超音波トランスデューサを用いて振動を試料に励起して、同様にSiO_2が埋め込まれている領域とSiO_2が存在しない領域を比較した。この実験では位相、振幅ともに顕著な変化がみられなかった。以上の結果から、光ヘテロダイン顕微鏡を用いて表面下の構造を画像化することができることを実験的に明らかにした。このコントラストを定量的に理解するために熱波の1次元伝播モデルに各層の材質を考慮して、断続光によって周期的に加熱された場合における温度分布を計算し、この温度分布から熱膨張の大きさを見積もった。その結果、振幅のコントラストについては実験と計算がよい一致を示したが、位相については計算よりも実験の方が大きい数値になった。
さらに、高配向グラファイト、GaAs/AlGaAs半導体超格子、CPUチップを試料として光ヘテロダイン顕微鏡像を得、これらについての表面下の構造を画像化することに成功した。

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi