研究概要 |
骨延長とは,骨をいったん切断して,切断面に仮骨という柔らかい骨ができそれが硬化して丈夫な骨になるが,仮骨の状態で張力を加えると骨が延長される.そこで,仮骨の硬化具合を測定する必要があり,本研究ではそれを振動で検出することの可能性を検討する. ウサギの足の骨延長術において骨の治癒過程の振動特性を加速度ピックアップによって測定する手法を選択した。治癒過程の振動応答を測定するには通常用いられている人間用のものでは形状が大きすぎるために、新たに骨延長冶具を設計製作した。まず,予備実験として,実際に延長の手術を行う前に延長冶具を用いずにウサギ2羽の骨切り手術を行いプレートによる骨折の固定を行い、動物実験に慣れると共に延長冶具設計の際の寸法などを決定した。次に,延長冶具の試作品を用いてウサギ5羽に実際の延長術と同じ手法で冶具を取り付け、振動応答を測定した。この過程で手術に必要な数点の道具を製作すると共に延長冶具の寸法の最終決定をした。以上の知見をもとに,ウサギ2羽を用いて延長術を行い、切断前の振動応答を測定した。しかし、術後一週間で再骨折を起こしたため治癒過程での振動応答は得られなかった。解剖によって再骨折の原因を調ベ、ボルトの取り付け位置等を見直して手術法の改良をはかる。また,ウサギの飼育法についてのノウハウを集積した.
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