現在、数多くのモバイル型記録デバイスが開発され、記録手段が格段に向上した。しかしながら、その記録手段が、個人の視聴覚的な体験を高い臨場感を持って再生しているか否かについての議論はされていないのが現状である。 本研究ではウェアラブルコンピュータを使用し、個人の体験を高い臨場感で記録再生するために必要な理論の基本的枠組みについて研究している。 平成12年度においては、眼鏡型CCDカメラを試作し、装着者の視線方向の画像を自動記録するとともに、音声・心拍・歩調・興味を映像と同期して記録するプロトタイプ(メディアファッションシステムMFS-S1)を作成した。 これにより、画像体験記録を追体験する際に、主観・客観的情報を軸に同じ体験を多様な尺度から再構築するための枠組みが実現された。
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