研究概要 |
本研究では、ウェアラブル装着機器の特性を活かした記録方式の理論の基本的枠組みについて議論している。ウェアラブルコンピュータとはすなわち、「着ることのできる」コンピュータを意味し、常に装着者のそばで稼動することができる特性をもつ。これは半自動的主観体験記録を実現するという新しい情報機器の可能性をひらくものである。 平成13年度においては、12年度の研究実績をふまえ、主観的体験を記録するための手法について検討し、プロトタイプの試作を行った。プロトタイプの試作にあたり、主観的体験を客観的に記録するための指標として、主観記録のための5つのカテゴリ分類(Vision, Audio, Location, Emotion, Ambience)を行い、そのカテゴリに属する情報を記録対象とし、センサーの試作を行った。試作機には装着者の全方位の視覚情報を記録するためのカメラ、ステレオマイク、GPS(Global Positioning System)、方位、加速度、心拍や温度湿度の自動計測が可能なセンサーを取り付けた。 これらの取得されたデータは時系列に分類することにより、変化の度合いを各センサーごとに合成することが可能となり、多様な尺度から主観的な体験を客観的に合成するための枠組みを検討した。
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