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2000 年度 実績報告書

電気機器等用高温超伝導マグネットの固体チッソ含浸・冷却法の可能性探求

研究課題

研究課題/領域番号 12875055
研究機関京都大学

研究代表者

牟田 一弥  京都大学, 工学研究科, 教授 (70039270)

研究分担者 中村 武恒  京都大学, 工学研究科, 助手 (30303861)
キーワード固体窒素冷却 / 大熱容量 / 電機絶縁性 / 酸化物高温超伝導テーブ / 酸化物高温超伝導マグネット / 熱的安定性
研究概要

今年度、高温超伝導マグネット冷却用に2種類の固体窒素作製・試験装置を検討した。その一つは、液体へリウムとの熱交換によって液体窒素を固化するための装置であり、設計・部品の製作が終わり、組み立ての段階にある。もう一種類は、ギフォード・マクマフォン(GM)冷凍機を用いた伝導冷却によるものであり、こちらは装置が完成し、窒素固化試験およびビスマス高温超伝導テーブを用いた安定性実験を行った。以下、この結果について報告する。
まず、試料室内部を窒素ガスで加圧状態にし、GM冷凍機にて室温から冷却していった。途中、温度が77K(窒素の1気圧における沸点)より少し下がったところで若干の液体窒素を注入した。そして、三重点(63.15K)近傍より温度が下がったところで完全に固化させることに成功した。内部の状態は試料窓から確認することができる。さらに、ビスマス高温超伝導テーブをこの固体窒素中に含浸し、熱的安定性の実験を行った。同試料に60A(臨界電流値以下)の電流を通電し、平衡温度に到達後(これを初期温度と呼ぶ)、ヒータにて熱擾乱を与えて電圧の時間変化を測定した。まず、固体状態と液体状態の違いを見るため、三重点(63.1K)近傍の温度領域(57.0K〜68K)において測定を行った。その結果、固体状態(63.1K以下の温度領域)では、液体状態に比較してテーブの安定性が悪くなることが分かった。これは、固体窒素と試料表面との熱接触不良が原因と考えられ、この熱接触を改善する必要がある。以上より、高温超伝導機器を過冷却窒素にて運動する場合、通常の冷却条件下では63.1K以下に温度を下げてしまうと熱的安定性が急激に悪くなり、事故の恐れがあることを示唆している。現在、20〜40Kの温度領域について詳細に測定を行うとともに、熱解析を行っている。今後国内学会、国際会議にて発表していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 牟田一弥,中村武恒,奥出健一,星野勉: "固体窒素に含侵したビスマス高温超伝導テーブの損失特性評価"2001年度春季低温工学・超電導学会講演概要集. (予定). (2001)

  • [文献書誌] 奥出健一,中村武恒,牟田一弥,星野勉: "窒素固化装置の開発および固体窒素含侵したビスマス高温超伝導テーブの熱的安定性の検討"電気学会研究会資料. (予定). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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