研究課題/領域番号 |
12875065
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中島 康治 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60125622)
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研究分担者 |
小野美 武 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (70312676)
佐藤 茂雄 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (10282013)
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キーワード | 量子計算 / 量子ビット / 単電子トランジスタ / RF-SET / Si-LSI |
研究概要 |
Si-LSIを利用した量子計算デバイス実現に向けて、本年度は核スピン読み出しに関する基礎的研究を行った。スピン読み出しのためには外部から電磁波を加えその強度の変化から測定を行うのが一般的であるが、本研究ではより実用的な実現を目的として電気的に測定が可能である単電子トランジスタを用いた方法を用いる。単電子トランジスタは高性能な電荷計として動作することが可能であり、そのコンダクタンスの変化から電荷数やスピン状態の検出が可能である。また単電子トランジスタは負荷駆動能力の低さから動作速度が問題であったが、RF-SETと呼ばれる新しい技術を利用することで数百KHzの動作が可能である。このスピン読み出し用単電子トランジスタの製作に向けて、電子ビーム露光装置を利用したリソグラフィー技術、薄いトンネル酸化膜形成作製技術、電子ビーム斜め蒸着法を用いた微小接合形成技術等の確立を図った。またシミュレーションにより単電子トランジスタの特性を検討し、一例として単電子トランジスタで構成されたニューラルネットの基本特性を調べ、その結果を国際会議で発表した。本年度は実際の測定までには至らなかったが、これら技術を用いることでスピンの検出が可能である。また上記電子ビームリソグラフィー技術を用いることで、量子ビットを制御するために必要な10nm程度の電極が形成可能となった。以上、次年度に予定しているSi-LSIを用いた量子計算デバイス実現に向けて必要不可欠ないくつかの技術を確立した。
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