1)数ミクロンからサブミクロンオーダの単結晶シリコンカンチレバーで、先端に探針を有するもののさらなる小型化に成功した. シリコンの結晶方位による異方性を用いてカンチレバーと探針を形成しているため、極めて精度の高い作製が可能となった.これにより、スケーラブルな作製方法が実現され、形状と寸法精度が全体の大きさや、フォトリソグラフィー装置の精度に大きく依存しないことを確認した.この作製手法により、位置平方センチメートルあたり、数100万個のカンチレバーの作製が可能となった. 小さいものでは、長さ2ミクロン、固有振動数40MHz、Q値10000のものを実現した.計算上、その質量分解能は10-21乗に達する. 2)光学顕微鏡とカンチレバーを用いて、カンチレバーごとに干渉計を構成する実験を行った.1.3ミクロンの赤外光を用いることにより、シリコン基板を透視する形でフィゾー干渉計を構成し、カンチレバーの変位計測に成功した. レーザを明滅させ、そのストロボ効果を用いることにより、早い現象をCCDで検出する方法を実現し、カンチレバー計測に応用した. 3)無摩滅摺動 マルチカンチレバーアレーでは、一平方センチメートルあたり100万個の探針があるため、深針でアレーの自重を支えると、探針1個あたり1nNの力を受け持っことになる.通常、100nNを越えないと摩滅が生じない状況を生じさせられる.無摩滅摺動の予備実験を行った.
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