研究概要 |
分散スーパバイザ制御においては,各ローカルスーパバイザの判断に基づき事象の生起の禁止・許可の最終的判断が下される.このときの判断規則がいくつか提案されている.本研究では,OR規則とAND規則を対象にした.それぞれの規則のもとでブロッキングの発生しない分散スーパバイザが存在するような最大部分言語が存在するための十分条件としてノーマル性が既に提案されているが,この条件はかなり制限的である.そこで,本研究では,ノーマル性よりも緩い条件である強C&P共可観測性および強D&A共可観測性という概念を提案した.強D&A共可観測性が言語の和に関して閉じていることを証明した.その結果,最大Lm(G)閉,可制御,及び強D&A共可観測な部分言語に対してブロッキングのない分散スーパバイザが存在することが明らかとなった.さらに,このような最大部分言語を計算するための手順も提案した.また,ノーマル性において一般に使われる射影関数をRudieらが提案した射影関数に変更することで,より緩い条件である修正ノーマル性という概念を提案した. モバイルロボットの軌道計画問題において,ロボットの移動時間を考慮するために,色付時間ペトリネットを用いた.このとき,色としてトランジションを使い,その色によってトークンが発火に利用できるまでの時間を指定できるような新しい発火規則を提案した.このペトリネットを用いることにより,ユーザからロボットへの要求と地図情報がペトリネットにより統一的に記述できるようになり,より詳細な軌道計画が可能となった.さらに,ペトリネットモデルを作成するための支援ツールも開発した.
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