研究概要 |
本年度は、UML記法を用いて構造解析システムのオブジェクト分析を行った.このオブジェクト指向システムの応答解析サブシステムにおいて,方程式パッケージを抽出し,その重要性について指摘した.本研究で得られた主な知見は次の通りである。 1.構造解析システムに対して,UML記法によりオブジェクト指向分析を行い,3つのサブシステム(応答解析・構造物・荷重)によるシステムを提案した. 2.運動方程式の非線形解法について,Newmarkのbeta法やオペレータースプリッティング法など,6種類の解法を,同じ表記で再整理した.従来は提案者のスタイルにより表現されていたため,用いる記号等がことなっていたが,同じ表記で表したことにより,容易に類似点や相違点を指摘することができる. 3.応答解析サブシステムにおいて,方程式パッケージを抽出した.静的・動的/線形・非線形問題に対しで,同一の表現で使用できることを示し,UML記法により整理した.この分析では,複数の解法を組み込むためのモデル化についても言及し,柔軟な運動方程式オブジェクトの枠組みを提案している. 4.分析した結果を,C++言語を用いて実装し,オブジェクト指向分析/設計結果が有効に機能していることを確認した.また本パッケージを用いて,RC橋脚の解析を実施した.
|