研究概要 |
PTV(Particle Tracking Velocimetry)は現在最も進んだ画像解析流速計測法である。その中でも研究代表者らの開発したKC法は世界最高の解像力を実現し,PIV(Particle Image Velocimetry)では国際的に有名なTSI社から販売されることになった。 本研究はPTVの汎用性をさらに高めるために行っている。本年度は以下のような研究成果が得られた。 (1)ホログラフィ・フィルターによる,レーザー・マーキング技術の開発 レーザーの出射口の前に置かれた特殊フィルターにより,2次元的に等間隔に配置された多数のレーザー・ビームを同時に発生することができるようになった。 (2)3次元設計と加工による高精度シリンドリカル・レンズの試作 水表面現象は縦に比べて横幅が非常に大きい。このような大アスペクト比の現象を画像解析するために,高精度のシリンドリカル・レンズを開発した。 (3)LIV(Linear Image Velocimetry)の提案 水中にレーザーで点を打つことは難しい。一方,線を引くことは容易である。蛍光物質を薄く溶け込ませておき,レーザー・ビームを当てれば良い。(1)の技術により,多数の線を同時に引くことができる。このように点(Particle)ではなく,線(Line)に基づく画像解析流速計測法を提案した。 次年度はさらに,赤外レーザーと(1)の技術の組み合わせで,水表面に同時に多数の点を打ち,赤外線カメラで追跡する手法の実験を行う。
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