研究課題/領域番号 |
12875101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
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研究分担者 |
曲渕 英邦 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60219293)
須田 義大 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 教授 (80183052)
村上 周三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40013180)
白石 靖幸 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50302633)
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キーワード | 温冷感の認知モデル / 移動空間認知 / 空間快適性認知モデリング / アダプティブ空調 |
研究概要 |
本研究は、室内や車両内の環境(主にその物理環境など)の快・不快を視覚、聴覚、触覚、温感などを介して認知し、対応行動を取る脳内認知システムとその認知背景にある情報データ構造をモデル化することを目的とする。これは、過去の温冷感に対する心理調査結果とそれを補完する被験者実験結果から、生理的な体温調節モデル(人の視床下部に実装されている体温調節機能をモデル化したもの)に基づく温冷感モデルに心理的な温冷感の認知モデルを付加して、人体の生理的(自律神経系による環境認知)、心理的(意識、情念的環境認知)要素を総合した温冷感認知モデルの原型を作成するための基礎的検討を行うものである。本研究において、平成12年度では以下のような成果を挙げている。 (1)温熱環境の総合評価手法の提案 人間が通常生活する室内空間から車両内、屋外空間までを包含した空間スケール内の温熱環境を分析の範囲とし、特に、空間移動(室内での移動又は室内から屋外への移動)に伴う温熱環境の変化に曝された人間について、その温熱感などの認知システム並びに適応行動(例えば、生理的発熱調節と着衣量、活動量、姿勢の変更など)のメカニズムを詳細に測定可能な移動実測装置を開発し、人間が囲まれている温熱環境を総合的に評価する新しい環境評価手法を提案した。 (2)人間の温冷感認知の構造の解明 人間の温冷感に関わる生理的、心理的あるいは行動的な要素を解明し、人間の温冷感認知をを総合的な見地からその構造を整理した。 (3)アダプティブ空調システムの構築 研究のフィージビィリティを得る見地から温冷感の認知構造を単純にモデル化して空調の制御に組み入れ環境制御目標を変更して、温冷感的に不快をもよおすことなくエネルギ削減を図るアダプティブ空調の原型を構築し、その実現の可能性を検討した。
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