建築材料・部品のリサイクルに関する調査を設計者と材料・部品のメーカーを対象に行い問題点を明らかにした。次ぎに、既存の建築物と、これから計画・建設される建築物に分けて建築材料・部品のリサイクル評価システムについて検討した。 既存の建築物に関しては、建築材料・部品の解体のし易さ、解体後のリサイクルに対する社会的システムの有無と、リサイクルのし易さ(現時点での技術の他、近未来開発されると思われる技術も視野に入れる)、リサイクル製品の有用性(商品価値、需要と供給の関係を含む)により建築材料・部品のリサイクル性とその意義を評価することとした。リサイクルによる環境側面を評価するために、横軸を建築物のライフサイクル、縦軸を環境側面から考えた要求事項としたマトリックスより検討項目を検討決定した。 これから建設される建築物に対しては、解体時の分別を容易に出来ることがリサイクル性を高めるという観点から、既存の建物に対する評価項目以外に、計画時、設計時、建設時(改修工事も含む)、についてリサイクルの配慮が重要であることから、その組み込み方を評価することとした。また、既存の建築物に対するのと同様の軸で、マトリックスをつくり評価項目を検討決定した。ただし、計画時、設計時、建設時の要求項目を細分化して検討が行えるようにした。 これら2つのマトリックスを用いてリサイクル評価システムを構築した。 以上、決定した方針に基づいて、主要建築材料であるコンクリート、鉄鋼、アルミ、木材、ガラスについて、評価項目を示した。次にコンクリート、木材の建築の場合についての評価を具体的に行った。総合評価のための重み付けは今後の課題と言える。
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