研究課題/領域番号 |
12875121
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
水谷 惟恭 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60016558)
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研究分担者 |
脇谷 尚樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40251623)
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キーワード | バッファー層 / リラクサー / エピタキシャル成長 / 蛍石型構造 / ペロブスカイト構造 / CeO_2 / SrTiO_3 |
研究概要 |
Pb(Mg_<1/3>Nb_<2/3>)O_3(PMN)は緩和型強誘電体(リラクサー)は巨大な誘電定数をもつことが知られ、その薄膜化は重要な技術となっている。しかし、PMNは組成のわずかな変化でパイロクロア型構造が優先的に生成する。この構造は常誘電体である。このような場合にペロブスカイト構造を生成させることが不可欠である。Si基板上にペロブスカイト構造を育成させるにはインターフェースとなるバッファー層が必要である。 本研究ではBaTiO_3をバッファー層に用いた。わずか7.2nmの極薄膜のBaTiO_3が存在するだけでペロブスカイト型PMNの成膜に成功した。成膜はパルスレーザーデポジション(PLD)法で、基板はPt/Ti/SiO_2/Si、基板温度は500〜600℃、酸素分圧は1.8x10^<-1>Torr.PMNの格子定数はバッファー層のBaTiO_3の膜厚が7.2nmから厚くなると急激に増加し、数+nmの厚さで一定になる。一方、BaTiO_3バッファー層が一定厚さの時、PMNの格子定数はPMNの膜厚と共に単調に増加した。 次にPLD法を用いて蛍石型構造にペロブスカイト構造を積層させる方法について研究した。Si(001)基板上にYSZ/CeO_2をエピタキシャル成長させた後、ペロブスカイト構造のSrTiO_3の(001)面を成長させることを試みた。その結果、SrOを約0.5nmの厚さでCeO_2の上にバッファー層として導入することにより、SrTiO_3の(001)面をエピタキシャル成長させることに成功した。このメカニズムをクーロンポテンシャルの観点から考察した。
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