二軸伸長試験のデーター解析において、データーの再現性は試験機の精度に、また解析手法の正当性は基準となるコトロール試料の選択に依存する。そこで、本研究はまずコントロール試料として末端架橋法によりより合成されたポリジメチルシロキサンエラストマーを用いることとした。分子量分布のそろったテレキーリックポリジメチルシロキサンをプレポリマーとして架橋剤との反応によりエラストマーを合成した。得られたエラストマーは透明出均一な試料とみなせる。現有の二軸引張試験機での測定において、シリコーンエラストマー特有の柔らかさと低引裂き強度のために、チャックによる試料のつかみ方に多大の工夫を必要とした。トライアルを重ねて測定条件をほぼ確立することができた。しかし、測定結果は伸びが極めて小さく、100%を越えることは無かった。 さらに比較試料として、天然ゴム(NBR)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)のフィラーを含まない架橋体および市販されているシリカ充てん架橋体がある。フィラーをフィラー含まない系(500%以上)、エラストマーとして優秀といえるが、大変形領域ではチャックから脱落する。このためにやはり試料のつかみ方に時間を費した。市販シリカおよびin situシリカ充てん系について測定の準備が整った。
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